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生理がこない原因は妊娠?病気?考えられる理由や受診の目安を解説

医療法人みらいグループ
生理がこない原因は妊娠?病気?考えられる理由や受診の目安を解説

「生理がこなくて不安」「どのくらい来なかったら病院に行くべき?」など心配されている方はいませんか?
妊娠していないにも関わらず生理がこないとき、治療が必要な病気が隠れているかもしれません。生理について正しい知識をもち、異変に早めに気がつくことが大切です。

今回は、生理がこなくなる原因についてご紹介します。

そもそも生理の仕組みは?

生理の仕組み
生理とは、厚くなった子宮内膜が剥がれて、体の外へ排出されることです。子宮内膜が剥がれるとき、痛み物質である「プロスタグランジン」が分泌されるために、生理痛を生じます。

生理は、2種類の女性ホルモンの分泌量の変化によって作られています。

【エストロゲン:卵胞ホルモン】

エストロゲンは、卵巣の中で卵胞を育て、排卵を起こすホルモンです。
卵胞というのは、卵子とその周りを袋のように囲んでいる細胞たちを合わせたものを指します。エストロゲンは卵巣内の卵胞を成熟させ、排卵できる状態へと導きます。

【プロゲステロン:黄体ホルモン】

黄体ホルモンは、基礎体温をあげたり、子宮内膜を厚くしたりするホルモンです。これらの働きによって、妊娠しやすい状態を作ります。

排卵が起こると徐々にプロゲステロンの分泌量が増え、子宮内膜が厚く成熟します。受精卵の着床がなければプロゲステロンの分泌量が減っていき、それに従って不安定になった子宮内膜が剥がれると、生理が始まるという仕組みです。

正常な生理とは?

生理は、期間も間隔も人によってバラバラです。とはいえ、正常かどうかの基準は存在します。
どのような生理ならクリニックで相談した方がよいか判断するために、「正常な生理」の基準をまずは知っておきましょう。

生理周期

生理が始まった日から次の生理の前日までの日数のことを「生理周期」といいます。

たとえば、1月1日に生理が始まって、次の生理が1月30日から始まったとすると、生理周期は29日になります。

通常、生理周期は25〜38日であれば正常です。
これよりも短いスパンで生理がくることを「頻発月経」、生理周期が長いことを「稀発月経」と呼びます。たまに1週間程度のずれ込みが生じるのは問題ありません。

生理期間

生理期間は3〜7日が正常です。
2日以下で終わってしまう生理を「過短月経」、8日以上続く生理を「過長月経」と呼びます。

「正常範囲」からいつもズレているという方は、これからご紹介するような原因が隠れているかもしれません。

生理が遅れる原因が妊娠の可能性の場合

生理周期が比較的安定している場合、生理予定日から7日以上経っても生理が来ない場合、妊娠の可能性が考えられます。避妊をしていても、妊娠を100%確実に防げるわけではないため、市販の妊娠検査薬で検査を行いましょう。

もし陽性が出た場合は、すぐに産婦人科を受診するようにしましょう。

生理の遅れ以外の妊娠初期症状

妊娠すると生理が遅れる以外にも体調に変化現れます。下記のような変化があわせて起こった場合は妊娠の可能性が高いです。

基礎体温の高温期が続く 胃のむかつきや吐き気がある
おりものが増える 食欲旺盛や食欲不振になる
少量の出血がある 胸の張りがある
微熱が続く 気持ちが不安定になる
便秘になる 頭痛が起こる
強い眠気を感じる 嗅覚が敏感になる
腰痛が起こる 体にむくみがでる
下腹部痛やお腹の張りがある 体のだるさを感じる
肌トラブルが起こりやすくなる 唾液や鼻水の量が増える
頻繁にトイレにいきたくなる めまいや立ちくらみが起こる

 

妊娠初期症状は生理前症状と似ているものが多いので見分けるのが難しいですが、基礎体温を付けている人は生理予定日を過ぎても高温期が続いている場合は妊娠の可能性が非常に高いといえます。

妊娠以外で生理が遅れる原因

生理がこない、生理周期が長くなってしまう原因についてご紹介します。原因は必ずしも1つではなく、複数の原因が混じり合っていることもあります。

1.女性ホルモン分泌が不安定

生理を作り出す女性ホルモンの分泌が不安定で、生理がこなくなる可能性があります。とくに10代のうちは、生理が規則的にこないのも自然なことです。

女性ホルモンは、脳からの指令を受け、卵巣から分泌されます。生理が始まっていたとしても、子宮や卵巣の機能はまだ十分に発達していません。そのため、女性ホルモンの分泌量が不安定で、生理周期も定まりにくいのです。

子宮や卵巣の発達とともに女性ホルモンの分泌量も増え、徐々に生理周期が安定するようになります。

2.急激な体重変動

短期間で急激に体重が変動すると、生理周期が伸びたり、生理がこなくなってしまったりします。

「痩せすぎると生理が止まる」「女性アスリートは生理が止まってしまうことがある」などと聞いたことがあるのではないでしょうか。実際は、痩せすぎも、太りすぎもよくありません。とくに、3~6か月程度の短期間で大きく体重が変動すると、生理に影響が出てしまいます。

目安として、痩せはBMI=17未満、肥満はBMI=25以上が生理に異常をきたす可能性のあるラインです。

<BMIの計算方法>
BMI = 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

身長150㎝、体重45㎏の方だとしたら、BMI = 45(kg)÷1.5(m)÷1.5(m) = 20 と計算できます。

計算できるサイトなどもありますので、ご自身の体格が問題のない範囲かどうか確かめてみるとよいでしょう。

3.心身のストレス

人間関係などの精神的なストレス、疲れや寝不足が続いているなど体のストレスも、女性の体にとってよくありません。

ストレスを感じると、女性ホルモンを分泌させる「脳からの命令」を乱してしまい、卵巣からうまく女性ホルモンが分泌されなくなります。その結果、女性ホルモンの分泌が不安定になり、生理がこなくなってしまうのです。

大きなストレスだと感じていないような出来事でも、生理がこなくなることはあります。受験や就活といった大きなイベントだけでなく、引っ越し、転職などがきっかけになることも少なくありません。心身の疲れやストレスは、早めに解消するようにしましょう。

4.閉経が近い

閉経が近くなると、生理周期は乱れることがほとんどです。個々で差がありますが、生理周期が短くなったり、2~3か月に1回に減ったりすることが多いです。

日本人の平均的な閉経年齢は約50歳です。ただし、あまりに早く閉経するのは健康上の問題があります。40歳未満で閉経してしまった場合は、治療をお勧めします。

40歳未満で早く閉経することを「早発閉経」といいますが、エストロゲンの分泌がなくなることで、骨粗鬆症や心筋梗塞、脳卒中などのリスクが上がってしまいます。

5.多嚢胞性卵巣症候群

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、あまり聞きなじみがない病名かもしれませんが、生殖年齢女性(20〜50代の女性)の約5~8%に見られます。

卵胞が十分に成熟できないまま卵巣内にとどまってしまう病気です。とどまった卵胞は、次第に小さくなって吸収されます。PCOSの方に特徴的な症状・兆候は以下のようなものがあります。

  • 肥満
  • 稀発月経、無排卵
  • 男性ホルモン値が高い(ニキビができる、毛深くなるなど男性化徴候)

妊活だけでなく、女性の将来的な健康にも影響する病気です。早めに発見し、治療をはじめましょう。

6.高プロラクチン血症

プロラクチンは脳の下垂体から出るホルモンです。乳汁分泌作用と卵巣機能を抑える作用が
あります。授乳中はこのホルモンにより乳汁分泌が起こり無月経になります。

授乳中以外でこのホルモンが高くなる原因として以下が考えられます。

  • 服用している薬剤によるもの
  • 甲状腺機能の低下によるもの
  • 下垂体腫瘍

7.無排卵

稀発月経の30%ほどは、無排卵が原因だといわれています。

思春期の方や閉経間近の方は無排卵になりがちです。無排卵は自覚症状がないので気がつきにくいですが、生理不順の方は無排卵が多いことが知られています。基礎体温をつけていて高温期がない方は、無排卵の可能性が高いです。

「排卵がないのになぜ出血するの?」と思われる方もいるかもしれません。

生理の出血自体は、子宮内膜です。女性ホルモン分泌の問題やストレス、PCOSなどが原因で排卵がおこっていなくても、子宮内膜が剥がれ落ちれば生理が始まります。

8.甲状腺の疾患

甲状腺の機能に問題があると、生理不順や無排卵などの月経異常をきたします。

甲状腺機能低下症と月経異常は密接な関係があります。健康な人の4〜20%が甲状腺機能低下を持っているともいわれており、頻度が高いです。甲状腺機能低下症だと、卵胞が成熟するまでに時間がかかります。その結果、排卵までの期間も伸び、なかなか生理がこないということになるのです。

甲状腺機能が正常な方と比べると、月経異常をきたす割合は5倍以上にもなるともいわれています。甲状腺機能を正常範囲に維持する治療をするだけでも妊娠確率は上昇しますので、妊活中で月経異常のある方は早めの検査がおすすめです。

逆に、甲状腺機能が高くなりすぎる甲状腺機能亢進症でも、月経異常をきたすことがあります。卵胞の発育が早くなり生理の周期が短くなることがあります。

受診のめやす

今回ご紹介したように、生理がこないことにはさまざまな原因があります。生理がきていないことに気がついても、「まぁそのうち来るだろう」と受診を先延ばしにせず、治療をおこなった方がよい場合も少なくありません。

めやすとして、3か月以上生理がこなかったら一度受診してみましょう。

3か月以上生理がない状態は「無月経」と呼ばれ、健康への影響が大きいです。不妊に繋がるだけでなく、骨粗鬆症や子宮がん、脳梗塞、心筋梗塞などのリスクが増加することがわかっています。

生理がこないときに必要な検査は?

受診した方がいいとは思っていても、婦人科でどんな検査をするのか不安で受診に踏み切れない、という方もいるでしょう。

生理がこないとき、一般的には以下のような検査を実施します。

問診

家族歴、内服薬の確認、体重測定などをおこないます。生理周期のわかるメモなどがあればご持参ください。

血液検査

女性ホルモンや下垂体ホルモン、甲状腺ホルモンなどの値を調べます。

超音波検査

子宮や卵巣の状態を確認します。膣から超音波プローブという機器を挿入します。性交渉の経験のない方は、お腹の上からあてるエコーを使うこともできます。不安のある方はお申し出ください。

CT/MRIなどの画像検査

採血や超音波検査で病気の疑いがあるとき、必要に応じて撮影します。
※当院では実施しておりません。必要に応じて他院を紹介いたします。

個人差がありますが、血液検査以外はほとんど痛みのない検査ですので、安心してください。

できるだけ早めのご相談を

今回は、生理がこない原因についていくつかご紹介しました。

生理は、女性の健康のバロメーターです。ちょっとしたストレスでも生理がこなくなってしまうことがあります。「生理がないのは、楽でいい」と感じるかもしれませんが、妊娠していないのに生理がこないのは問題です。治療が必要な病気という可能性もあります。

3か月以上生理がこなかった場合は、できるだけ早めに受診しましょう。

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この記事の監修
勢多 真理子
エナ女性クリニック日本橋 院長
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