閉経前後、いわゆる更年期に、さまざまなトラブルを抱えている女性は少なくありません。しかし、トラブルに悩む女性の多くが「つらい」「どうにかしたい」と考えながらも、「閉経してしまえば症状は収まるはず」と我慢しているのが現状です。
更年期はおおよそ閉経の前後5年ずつ、つまり10年間もの長期間におよびます。10年間、我慢し続けることは果たして賢明な選択なのでしょうか？
今回は、閉経前後のつらい症状にお悩みの女性におすすめしたいエクオールについて紹介します。顔のほてりやのぼせ、めまいなど、閉経前後の症状を改善したい、もしくは更年期に突入する前に予防方法を知っておきたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
【セカンドライフを楽しむために】上手く付き合いたい更年期の症状
人生100年時代と言われる昨今、人生の後半部分であるセカンドライフを元気に生き生きと過ごしたいものです。50代を目前にし、じわじわと体に起こる変化を感じ 「これって、もしかして更年期…？」と不安になる女性も多いです。
更年期とは、閉経前後の5年間ずつの時期を指します。日本人女性の平均的な閉経年齢は50歳と言われているため、おおよそ45～55歳の10年間が更年期に当たると考えてよいでしょう。
閉経前後は卵巣から分泌されるエストロゲンの分泌にゆらぎが出てくるため、さまざまな不調が起こりやすくなります。
顔のほてりやのぼせ、肩こりや頭痛、めまいや疲労感、イライラや落ち込みなどの精神症状、不眠や眠りの浅さ、腰痛や関節痛など多岐にわたる症状のため生活に支障が出てくることもあります。
また、エストロゲンが不足することで骨が脆くなりやすくなったり、血管の不調などの症状がみられるケースも珍しくありません。骨粗鬆症や動脈硬化など、閉経後エストロゲンの分泌量が激減することで発症リスクが高まる病気も少なくありません。
閉経前後のつらい症状は和らげる・予防できる可能性がある
更年期はつらい症状が約10年間もの長期間続くにも関わらず「更年期がすぎれば、つらい症状も治まる筈だから。それまで我慢しよう」と考える女性が圧倒的に多いです。
しかし、自分らしく生き生きと日々の生活を送るうえで大きな支障となっているのは明らかで、大切な40～50代の10年間を充実した毎日にするためには我慢するのではなく、症状と向き合い対策することが大切だと私たちは考えています。
今回ご紹介するエクオールはこれらの症状を予防、改善する強い味方となり得ます。
現在、つらい更年期の症状に悩んでいる人も、これから更年期を迎えるに当たりつらい症状が出にくいよう予防したいと考えている人にも、ぜひエクオールについて知っていただきたいのです。
どうしてエクオールは更年期の症状に効果が期待できるの？
昔から大豆製品は、女性のからだに良いと言われてきましたがそれはなぜでしょう。
大豆が女性の体にとってよい働きをする際、エクオールという物質が大きく影響していることが分かりました。大豆に含まれているイソフラボンの中の成分が腸内細菌によってエクオールに変換されるそうです。エクオールは女性ホルモンであるエストロゲンと構造が似ているので、からだの中のエストロゲンが作用する部位（受容体）にくっつきエストロゲン不足によって起こる症状を改善させるとされています。
つまり、閉経を迎えることで分泌量が激減し足りなくなったエストロゲンの代わりエクオールが働いてくれるため、エストロゲン不足で起こる更年期のつらい症状を軽減する効果が期待できると言われているのです。
エクオールは大豆を食べれば誰でも作れるの？
出典：ソイチェックを用いた、エクオール産生能と食生活に関する全国調査,J. Epidemiol., vol24(supp.1), p118; 2014
大豆に含まれる大豆イソフラボンから生成されるエクオールですが、「それなら、毎日大豆製品を食べればいいの？」と考える方も多いでしょう。
しかし、エクオールは大豆製品を食べれば皆さんが作れるわけではありません。
エクオールを産出するには、腸内がエクオール産出に適切な環境であることが必要です。実際に、日本人ではエクオールを作れる人の割合が約50％とされています。
出典：日本女性医学学会雑誌,20:313-332,2012
「日本人の半分しかエクオールを作れないの？」と驚くかもしれませんが、世界的に見ると日本人女性はエクオール産出者の割合が多い傾向にあります。しかし、日本人でも若い年代の女性は20％の人しか産生できませんという結果も出ております。
出典：日本女性医学学会雑誌,20,2,313,332-2012 更年期と加齢のヘルスケア,7,1,26-31,2008
エクオール産出者の割合が高く、古くから大豆食品を積極的に摂る食生活を送ってきた日本人女性でも、これだけ多くの人が更年期のつらい症状に悩まされているのが現状です。「エクオールを産出できる体質なら更年期の症状が出にくい」と安心できないことがわかりますよね。
1日分エクオールを作るために必要な大豆食品の量
自分自身がエクオールを産出できるか調べるキットもありますが、エクオールを作れる産生者であっても大豆食品が十分に摂取できていなければ一日に必要なエクオール量（10㎎）を産生することはできません。
1日に必要なエクオールを作り出すために摂取すべき大豆食品の目安として以下のものがあります。
- 豆乳1杯（200g）
- 納豆1パック（50g)
- 豆腐2/3丁（200g）
「これ位なら毎日食べられるかも？」と思うかもしれませんが、自分の力だけでエクオールを産出するには、腸内環境を常に良い状態で保つことも必要です。
多様な腸内細菌を持ち環境を維持するためには、食物繊維を豊富に持つ緑黄色野菜や淡色野菜、海藻類、根菜、きのこ類なども意識的に摂ることが重要でしょう。良質な脂ののった魚や肉類を適量摂ることも、腸内環境を良くするために欠かせないと言われています。
一方、喫煙、外食習慣、アルコール、カフェインなどの過剰摂取は、腸内細菌の種類を減らしエクオールを産出しにくくなってしまうという報告もあります。
その他、ストレスや不規則な生活も腸内環境を乱す要因 として考えられるため、「大豆食品を食べていればいい」という訳ではないのです。
エクオールを産出できない体質の人や生活習慣の改善が難しい人は、サプリなどでエクオールを補うのが望ましいでしょう。
エクオールに期待できる効果は？
出典：日本食品科学工学会誌,62（7）, 356-363, 2015 一部改変
摂取したエクオールや産出したエクオールは、1～2日で尿と共に排出されます。そのため、エクオールを持続的に摂取・産出し長く体内に留める必要があり、効果が現れるまでには中長期的な時間が必要です。
エクオールについては、以下の研究報告があります。
エクオールを3か月摂取することによってホットフラッシュの回数が減少した、肩こりの程度が改善した、骨密度の低下が予防できた、肌に対するシワの面積や深さの改善につながった、など数々の研究報告があります。
エクオールの持つエストロゲン・抗エストロゲン作用は、乳がんや高尿酸血症の予防にも繋がり、更年期以降も健康な体を維持したいという人に必要とされる作用です。
その他にも、女性ホルモンであるエストロゲンが減少することで、更年期以降男性ホルモン（アンドロゲン）が優位になり、薄毛や抜け毛に悩まされる女性も少なくありません。抗アンドロゲン作用を持つエクオールを継続して摂取することで、薄毛や脱毛などの予防効果も期待できるでしょう。
出典：Aso T, et al., J Womens Health 21, 92-100, 2012
出典：Aso T, et al., J Womens Health 21, 92-100, 2012
出典：Tousen Y, et al., Menopause 18(5), 563-574, 2011
出典：Tousen Y, et al., Menopause 18(5), 563-574, 2011
出典： 日本女性医学学会雑誌, 25(2), 307-311, 2018
エクオールの安全性は？
ホルモンに類似している成分と聞くと、安全性についても気になりますよね。
エクオールは1932年に馬の尿から発見された成分です。研究が続くなかで1980年に人の体内からエクオールが発見され、1984年にはアンドロゲンが影響する病気の症状改善に効果が期待できる旨が報告されるなど、長年世界中で化学的・薬学的な研究が行われてきました。
経口摂取型のエクオールについて、安全性に関しても現在のところ薬の中止が必要であった副作用報告はありません。
まとめ
今回は、女性の強い味方となるエクオールについて紹介してきました。更年期の前後に現れるつらい症状の改善に効果が期待できるエクオール。充分なエクオールを体内に保つことで、セカンドライフをより楽しめるようになる可能性があります。
今、更年期の症状に悩んでいる人も、これから訪れる更年期を不安に思っている人も「我慢するしかない」と諦めることなく、症状を緩和するための方法を検討してみてはいかがでしょうか。
当クリニックではエクオールを含有するサプリメントを取り扱っています。ご興味あればお声がけください。
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